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土地は相続するよりも生前贈与した方がいい?

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土地の相続に備えて生前から考えておきたいこと

・親の土地はいつか相続することになる

子は第1順位の相続人ですから、親が亡くなったときには、子どもは必ず相続人になります。親が土地を持っている場合には、子がいずれ土地を相続することになるということです。

なお、相続では、亡くなった人の配偶者も必ず相続人になります。父親が亡くなったとき、母親が生きていれば、母親と子どもで土地を相続することになります。

・相続はいつ起こるかわからない

不動産を所有することになっても、利用する予定がなければ、負担が大きくなります。土地の場合には、雑草が生えるなどして荒れてくることもありますから、管理も必要になってきます。

また、不動産を持っていれば、それだけで固定資産税の負担も発生します。そのため、不動産は活用しなければ意味がありません。しかし、相続はいつ起こるかわかりませんから、土地を活用したい時期に、タイミングよく土地を取得できるとは限らないという問題があります。

・相続財産の額によっては相続税がかかる

親の相続に備えて、相続税のことも考えておかなければなりません。相続税は、以前は富裕層だけが払うものというイメージでしたが、平成27年の基礎控除額引き下げにより、相続税の課税対象となるケースは大幅に増加しています。

不動産は高額であることが多いですから、相続財産の中に土地が含まれていれば、相続税がかかることも多くなります。

・相続対策は生前から考えておく

家族が亡くなるときのことは、あまり積極的に考えたくないものです。しかし、相続はいつか必ず起こるものです。親が亡くなったら財産上はどのような問題が発生するのかを認識しておき、生前からできる対策をとっておくのがおすすめです。

 

土地を相続するのではなく生前贈与を受ける方法がある

・生前贈与なら贈与時期を選べる

相続対策が必要と言われても、相続はいつ起こるかわかりませんから、実際のところ準備しにくいことも多いと思います。親が土地を持っている場合、相続により土地を取得するよりも、生前贈与してもらった方がよいこともあります。

そのため、土地の生前贈与という選択肢も考えてみましょう。生前贈与であれば、時期を自由に選べますから、土地を活用したいタイミングで譲り受けることも可能です。

・生前贈与により相続の際の争いを予防できる

子どもが複数いる場合には、親の財産を平等に相続する権利があります。仲の良くない兄弟や腹違いの兄弟がいる場合などには、相続開始後、親の遺産の分配で、もめごとになる可能性があります。

生前贈与は、贈与する相手を選んで行うことができます。土地を生前贈与してもらうことで、相続争いを防ぐことが可能になります。

・生前贈与では贈与税がかかる点に注意が必要

親の土地を生前贈与してもらうときに、注意しておきたいのが、贈与税の問題です。生前贈与により財産を取得した場合には、贈与税の課税対象になります。

贈与税には年間110万円という基礎控除がありますが、土地の場合には高額ですから、贈与税額が大きくなってしまうことが考えられます。

 

土地を生前に贈与してもらうなら相続時精算課税を利用

・相続時精算課税の概要

親の土地を生前贈与してもらうとき、贈与税の負担をなくすためには、相続時精算課税を利用する方法があります。相続時精算課税は、60歳以上の父母や祖父母から20歳以上の子や孫への生前贈与で利用ができます。

相続時精算課税を利用する場合、贈与時には2,500万円までが非課税となり、2,500万円を超える金額については一律20%の贈与税が課される扱いになります。

相続時には、相続時精算課税により生前贈与された財産を相続財産に加算して相続税を計算します。既に贈与税として支払った分については控除を受けられ、払い過ぎ分については還付が受けられるしくみになっています。

・相続時精算課税のメリットとデメリット

相続時精算課税を利用すれば、贈与税の負担を少なくして、好きなタイミングで土地の生前贈与を受けることができます。

相続時精算課税では、相続時に税金を精算することになるため、税負担が軽くなるわけではありません。しかし、贈与する時期や、贈与する相手は自由に選べるというメリットがあります。

ただし、一度相続時精算課税を選ぶと、同じ相手からの生前贈与については、通常の暦年課税に戻せないというデメリットもあります。相続時精算課税により、土地の生前贈与を受けた方がよいかは、専門家のアドバイスを受けながら検討した方がよいでしょう。