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不動産の相続における問題点と対策

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不動産相続における問題点とは

不動産相続が他の相続財産に比べてトラブルとなりやすいのは、資産価値が高額であることと、価値がわかりにくいことにあります。相続不動産の分割方法には、主に次のような選択肢があり、どれを選択するのかが重要です。

現物分割

各財産を単独で相続することを現物分割といい、不動産を相続しない相続人については、現預金などその他の財産を相続することでバランスをとります。

最もシンプルな分割方法ですが、不動産の場合は単独で相続すると相続人間のバランスが取れないため、よほど相続人同士の仲がよくなければ成立しない傾向です。

換価分割

不動産を売却し、それによって得た代金を相続人間で分割する方法を換価分割といいます。現金を分割するため、法定相続分通りに分けられるという大きなメリットがありますが、次のような問題点もあります。

問題点1:売却価格の問題

不動産を売却する際の価格については、経済情勢や景気状況にも左右されるため、必ずしも相続発生時点において、高値で売却できるとは限りません。

そのため、換価分割については、売却することによって時期やタイミングによっては損になることも考慮する必要があります。

問題点2:買い叩かれるという問題

相続不動産を売却に出すと、それなりの期限を持って成約に結びつける必要があります。特に、売却した現金をもって相続税を納税するようなケースでは、相続開始から10ヶ月以内に売買契約を成立させて、引渡しまで持っていかなければなりません。

都心部の人気がある物件であればよいのですが、地方の不動産については需要が少ないため、すぐに売れず、価格を買い叩かれるという問題点があります。

また、相続不動産については、相続税の納税までに売りたいという相続人の心理を逆に利用して、買主が価格交渉をしてくるケースも多く、もう1つの問題点となっています。

問題点3:不動産の売却に反対する相続人がいる場合の問題

換価分割の方法をとるためには、相続人全員が売却に賛成している必要があります。ただし、相続財産が実家だったりすると、実家に住んでいる相続人からしてみれば、換価分割は住まいを奪われることになるため、簡単には容認できません。

このように、不動産の換価分割については、その建物に住んでいる相続人がいると話がまとまりにくいという問題があります。

代償分割

現物分割でバランスが取れないときに、相続人間で代償金を支払うことで帳尻を合わせる方法を代償分割といいます。

例えば、1億円の相続不動産と4,000万円の現預金を兄弟2人で相続する場合、兄が相続不動産を単独で相続すると、弟は4,000万円しか相続できないため、不公平が生じてしまい、弟が納得しない可能性があります。

そこで、兄から弟に3,000万円の代償金を支払うのです。すると、相続財産の総額が1億4,000万円であるのに対し、弟が半分の7000万円を相続できるため、円満に相続ができるのです。

このように代償分割は非常に理にかなった分割方法ですが、次のような問題点もあります。

代償金が準備できないという問題

代償分割をするためには、原資となる現金が必要となります。金額がそれほど大きくなければすぐに準備できるかもしれませんが、不動産相続における代償金は高額になるケースも多いため、代償金が準備できないという問題が生じるのです。

そこで、代償分割を想定する場合は、事前に代償金の準備をしておく必要があります。

生命保険を活用する

代償金にあてるための現金を、生命保険の死亡保険金によって準備することで、節税対策の効果もあります。

生命保険の死亡保険金には、500万円×法定相続人の人数分の非課税枠があるため、非課税枠の範囲内で生命保険に加入することで、代償金を効率的に準備することができるのです。

 

不動産相続の問題点の対策

不動産相続にはこれらの問題点がありますが、事前に適切な対策を講じることで、ある程度のトラブルは回避することが可能です。ここでは、効果的な対策を2つご紹介します。

遺言書を作成する

生前に有効な遺言書を作成し、その中で誰に何を相続させるのか明記することで、相続発生後のトラブルを防止することができます。

ここでのポイントは、遺言執行者を設定することです。遺言執行者とは、遺言書の内容を実現するために手続きをする人のことで、できれば専門家である弁護士に依頼することがおすすめです。

遺言執行者は単独で遺産分割の手続きを進めることができるので、反対する相続人がいても、粛々と手続きを進めることができるため、不動産相続の問題点も解消できます。

生前に売却しておく

そもそも問題点となりやすい不動産を、生前に売却して現金化しておくことで、相続発生後のトラブルを防止することができます。

不動産の場合は相続税評価額が小規模宅地等の特例などでかなり抑えられるため、相続税を節税できます。ただし、売却してしまうと預金残高そのものが課税対象になってくるため、相続税の面では不利になる点に注意が必要です。

 

まとめ

不動産の相続は、さまざまな問題点をはらんでいるため、できる限り事前に対策を講じてトラブルを回避することが重要です。

まずは相続財産や相続人予定者などの全体像を確認した上で、遺言書作成などについて弁護士や税理士に相談することをおすすめします。