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実家のマンションを相続する手続きと売却する際の注意点

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親の死後実家のマンションを相続することがある]

亡くなった人の配偶者と子供は必ず相続人になる

相続では、亡くなった人の配偶者と子供が優先的に相続人になります。親が不動産を持っている場合、子供はいずれ、その不動産を相続するということです。

実家のマンションが父親名義なら、父親が亡くなった後、母親と子供でマンションを相続します。母親が既に亡くなっていれば、子供だけがマンションを相続することになります。

実家のマンションが不要な場合には?

【相続人が1人の場合】

亡くなった親の相続人が自分1人だけであれば、自分が当然に実家のマンションを相続することになります。実家のマンションはいらない場合でも、一旦、自分が相続する手続きをした後、売却等する必要があります。

【相続人が複数いる場合】

相続人全員が、実家のマンションに対して権利を持っています。実家のマンションをどう扱うかについては、次のような選択肢があります。

・遺産分割により、相続人の1人または複数の人がマンションを取得
・マンションを売却して、現金化して遺産分割(換価分割)
・遺産分割をせず、相続人全員でマンションを共有

実家のマンションがいらない場合には、①の方法により、他の相続人にマンションを相続してもらう選択もできます。もし実家マンション以外に遺産がなければ、マンションを取得した相続人に代償金を払ってもらえば、「代償分割」という形で遺産分割ができます。

相続人全員が実家のマンションはいらないという場合には、②の換価分割を選択し、売却代金を相続人で分けることもできます。

なお、遺産分割で自分がマンションをもらえば、マンションは自分の意思だけで売却ができます。実家のマンションをどうするか、もらってから考える方法もあります。

 

実家マンションを相続する手続きの流れ

実家のマンションを相続するまでの一般的な流れは、次のようになります。

1 相続人全員で遺産分割協議を行う

遺産分割協議に決まった方式はないので、電話や文書のやりとりで話をまとめてもかまいません。ただし、必ず相続人全員に意思確認する必要があります。

2 遺産分割協議書作成・相続登記の必要書類を準備

遺産分けについて相続人全員の意見が一致すれば、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書は、実家マンションの相続登記に使うため、必要事項をもれなく記載します。

相続登記の際には、遺産分割協議書以外に次のような書類が必要になりますから、準備しておきましょう。

・相続人全員の印鑑証明書
・戸籍謄本一式(被相続人の出生から死亡までのもの、相続人とのつながりがわかるもの、相続人の現在の戸籍謄本がすべて必要)
・マンションを取得する相続人の住民票(または戸籍附票)
・被相続人の除票(または戸籍附票)

3 相続登記を申請

登記申請書と必要書類を揃えて、実家マンションの所在地を管轄する法務局の窓口に登記申請をします。登記申請時には、マンションの固定資産評価額の0.4%の登録免許税を納めます。

4 相続登記完了

登記申請から1~2週間程度で登記が完了します。

 

相続した実家のマンションを売却するときの注意点

小規模宅地等の特例の適用が受けられるなら売却時期に注意

相続税の課税対象になるケースで、小規模宅地等の特例の要件をみたしていれば、土地の評価額を大幅に下げられます。マンションの場合にも、土地部分には小規模宅地等の特例が適用できます。

相続した実家マンションをすぐに売却すれば、特例が受けられなくなり、相続税額が増えてしまうことがあります。子供が親の土地を取得した場合には、相続税の申告期限(相続開始から10か月)までの居住や、保有が特例の適用を受ける要件の1つになっているからです。

譲渡所得税の取得費加算の特例を受けるなら3年以内に売却

相続した実家マンションが、親が購入したときよりも値上がりしている場合には、譲渡所得税の課税対象になります。譲渡所得税は、売却金額から親の購入時の金額や売却の経費を差し引いた譲渡所得に対してかかります。

相続税の申告期限から3年以内に売却した場合には、払った相続税の一部を取得費に加算できる特例があります。実家マンションを相続して相続税を払った場合には、3年以内に売却すると節税になります。

譲渡所得税の空き家の特別控除はマンションでは受けられない

譲渡所得税では、空き家になった実家を相続した後売却したときに、3,000万円の特別控除が受けられることがあります。しかし、空き家がマンションである場合には、特別控除は受けられませんから注意しておきましょう。