土地・不動産 2018.09.23

土地の生前贈与と相続、それぞれの手続きの流れとは?

将来の相続で相続人に受け継がせる財産に土地が含まれる場合、生前贈与しておく人もいれば、相続開始後の遺産分割に任せる人もいます。また、生前贈与の手続きには、被相続人となる人も密に関わることになります。

この記事では、土地を生前贈与する場合の手続きに加え、土地を相続させる場合の手続きの流れについても紹介します。

記事ライター:棚田行政書士

土地を生前贈与する際の手続きの流れ

土地の生前贈与に限らず、生前贈与と呼ばれる手続きは契約同然の手続きです。税務上の贈与とは、財産を贈る人の「贈りたい」という意思と、財産をもらう人の「もらいたい」という意思があって初めて成立する手続きです。

いかなる場合も、生前贈与の手続きを口約束で済ませることはできません。贈る側と贈られる側、双方の贈与意思を第三者へ証明できなければ、税務調査において、生前贈与を否定されてしまうことさえあります。

土地など、登記が必要な高額の財産を生前贈与する際には、金銭などの生前贈与手続きよりも多くの手続きが必要になります。土地の生前贈与手続きをおおまかに説明すると、贈与契約書の作成、土地の登記、最後に贈与税の申告と納付という流れで進みます。

では、それぞれの手続きの詳細を説明しましょう。

1.贈与契約書の作成

生前贈与では必ず「贈与契約書」を作成します。土地を生前贈与する場合には、贈与契約書は所有権移転登記の際の必要書類になりますので、生前贈与に関する双方の意思が確認できたなら、迅速に作成するべきです。

生前贈与の贈与契約書には、形式や書式の規定はありません。何の書類かが分かり、必要事項が明記されていれば、パソコンで作成しても、手書きでも構わないとされています。

ただし、生前贈与に関する当事者の意思を明確にし、贈与契約書の信ぴょう性に疑いを持たれないためにも、作成年月日、氏名、住所などは本人の直筆で記すのが望ましいでしょう。

贈与契約書を作成する上では、必ず記載しなければならない6つの要素があります。それが、「誰が・誰に・何を・いつ・どんな条件で・どのような方法で贈与するか」という6点です。

上記のいずれかが欠けていると、正式な贈与契約書として認められない場合もあります。

土地の生前贈与について、6大要素を含む詳細を記載したなら、贈与者と受贈者の署名捺印を行い、贈与契約書を完成させましょう。

捺印は認印でも良いとされていますが、書類としての信頼性を最大限に高めるためには、実印での押印がベストです。

一般的な契約書と同様に、贈与契約書も同じ内容で2通作成し、贈与者と受贈者がそれぞれ保管しておきます。

2.土地の所有権移転登記を行う

土地などの不動産を生前贈与する場合は、必ず所有権移転登記の手続きを完了しなければなりません。

万が一、土地の生前贈与について合意したにも関わらず「土地の登記はそのうちすればいい」と考えて登記手続きを済ませないなら、土地を生前贈与したことは公に認められなくなります。

相続が開始すれば、問題の土地は相続財産の中に含められてしまうでしょう。登記手続きが完了されない限り、土地は受贈者のものにはなりません。贈与契約書を作成したなら、迅速に所有権移転登記を行いましょう。

3.贈与税の申告と納税

贈与税が発生する生前贈与では、必ず期限内に申告と納税の手続きを完了しましょう。

生前贈与は、家族間での財産の移動に過ぎないからと考え、無申告でいてはなりません。税務署をごまかすことはできませんし、相続が始まってしまえば、財産の移動は明らかになります。

余分な税金を課されないためにも、贈与税の申告と納付をして生前贈与の手続きを締めくくりましょう。

 

土地を相続させる際の手続きの流れ

土地を相続させる場合、手続きはすべて相続人が自分で行うことになります。相続の開始から土地の相続を完了させるまでのおおまかな流れは以下です。

1.相続人と財産の調査

被相続人の戸籍をさかのぼり、誰が相続人になるかを調査します。土地を含む財産についても、洗いざらい調査して記録します。

2.相続の決定

相続人自身が、相続するかしないかを決めます。相続しないことにする場合は「相続放棄」の手続きを行い、相続人ではなくなります。

3.遺産分割協議

遺言書がないケースでは、遺産の分け方を相続人同士で話し合います。話し合いで決定した内容は、遺産分割協議書にして保管します。

4.土地の相続登記

土地を相続することになった相続人は、土地の相続登記手続きを行います。相続人は、相続登記手続きが完了して初めて、土地の新しい所有者となります。

5.相続税の申告・納付

手続きの最後に、相続税を申告し納付します。

 

まとめ

土地の生前贈与は、「将来の相続の際に税務署が認めてくれるか」を意識して手続きしなければなりません。贈与者の好意を無駄にすることのないよう、確実に手続きを踏んでいきましょう。

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